
耐震診断業務
耐震診断の目的
耐震診断は、建物が震度6強や7の地震にどの程度耐えられるかを予測し、地震による倒壊や損傷を防ぐための対策を講じることを目的としています。建物の特性に合わせた診断を実施し、必要に応じて耐震補強計画を策定します。
- 地震リスクの評価:建物が直面する可能性のある地震の強さや震源に応じてリスクを評価。
- 安全性の確認:建物が倒壊や崩落の危険を避けるために、構造体の強度や耐震性能を評価。
診断対象
主に旧耐震基準で建設された建物(1981(昭和56)年以前の建物)。 場合によっては、1981年以降に建設された建物も耐震性が不足する可能性があります(改修や用途が変更された建物等)
- 1. 住宅
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人が日常的に住む建物であり、地震発生時の生命の安全を最優先します。
- 例 :
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- 一戸建て住宅
- マンション
- アパート
- 2. 学校・教育施設
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多くの子どもや学生が集まるため、地震時の安全確保が特に重要。
- 例 :
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- 小学校、中学校、高校
- 幼稚園、保育園
- 大学、専門学校
- 3. 医療・福祉施設
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地震後も機能を維持する必要があり、特に強い耐震性が求められます。
- 例 :
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- 病院
- 診療所
- 老人ホーム
- 障害者支援施設
- 4. 商業施設
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地震時には利用者の安全確保と建物の倒壊防止が重要。
- 例 :
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- ショッピングモール
- コンビニ、スーパー
- 百貨店
- 飲食店
- 5. 公共施設
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避難所としても利用される場合があり、地域住民の安全を守る重要な施設。
- 例 :
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- 市役所、区役所
- 図書館
- 体育館、公民館
- 消防署、警察署
- 6. 集客施設
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多くの人が集まる場所では、一度の地震で大規模な被害が出る可能性があるため優先されます。
- 例 :
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- 映画館、劇場
- コンサートホール
- スポーツアリーナ
- 7. 産業施設
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地震で操業停止や被害が発生すると経済的損失が大きい施設。
- 例 :
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- 工場
- 倉庫
- 物流センター
- 8. 歴史的建造物
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文化的・歴史的価値が高く、保存が必要な建物。
- 例 :
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- 寺院、神社
- 旧家屋、歴史的建物
- 博物館
耐震診断の方法
耐震診断は、建物の構造形式や使用状況に応じて、以下の方法で実施します。
建物の用途によって、求められる耐震基準や診断の優先度が異なります。また、各用途では地震後の建物機能の継続性や利用者の安全性が特に考慮されます。
- 簡易診断(目視診断)
- 建物の外観や内部の状態を目視で確認し、構造的な不具合や劣化の兆候を把握します。早期発見を目指して簡便に実施しますが、詳細な診断が必要な場合は次のステップへ進みます。
- 詳細診断(構造計算)
- より精密に構造体の強度を分析し、実際に地震に耐える能力を評価します。既存の設計図を元に、構造計算を行い、補強が必要かどうかを判断します。
耐震診断の結果と報告書
診断の結果、耐震性が十分でないと判断された場合、詳細な報告書を作成し、具体的な補強方法や改善策を提案します。この報告書は、修繕の計画や予算の立案に役立つ重要な資料となります。
- 診断結果報告書
- 診断結果、リスク分析、補強方法の提案を含む報告書を提供します。
- 耐震補強提案
- 必要に応じて、具体的な補強計画(壁の追加、基礎の補強、耐震金物の設置など)および概算工事費を立案します。これにより、今後の維持管理方針や予算計画を明確化します。
耐震補強設計
診断結果に基づき、耐震補強が必要な場合には、補強設計を行います。補強設計では、現行の耐震基準に適合させるために、具体的な補強方法(構造強化、基礎補強、耐震壁の設置など)を設計し、施工計画に落とし込みます。
- 構造強化設計
- 耐震壁や耐震ブレースを追加し、構造体を強化します。
- 基礎補強
- 地盤や基礎に問題がある場合は、補強工事を行い、建物の安定性を向上させます。
- 設備・内装の耐震化
- 地震時に危険な設備や内装の固定を行い、全体の安全性を高めます。
補強工事監理
耐震補強が実施される場合、施工中の品質管理と工事監理を行います。工事が設計通りに進行し、安全基準を満たすように監督します。
- 施工監理
- 設計図通りに工事が進行しているかをチェックし、品質を確保します。
- 現場での問題解決
- 施工中に発生する可能性のある問題を早期に発見し、適切な対策を講じます。
私たちは、建物の構造的な健全性を評価し、最適な耐震診断と補強計画を提供します。地震に備え、安全で安心な生活空間を守るために、耐震診断業務を通じてサポートいたします。地震に強い建物づくりを目指して、すべての建物の耐震性を確保し、安心・安全な未来を提供します。